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2016.03.01

アマルガム

お口の中の奥の方までよく見たことはありますか?
女性は比較的鏡を見ることが多いので、見たことがある方もいるかもしれません。ただ、暗い上にしっかりと見極めることは、私達プロでも難しいのです。

もし、しっかり見られて、黒いつめもの(虫歯のようにみえるかもしれません)が見えたら、それは、もしかしたらアマルガム充填かもしれません。特に何十年も前(記憶にない位)のものならば、可能性があるかもしれません。

即日充填処置としてレジン(プラスチックのよな白いつめもの)が使われる前は、ほとんどアマルガム充填が一般的とされていました。
私も、ほぼ30年前にH.P.I(Human Performance Institute)という熱海にあったDr.Beech(アメリカ人)の研究所兼歯科診療所で少し研修を受けて、アマルガム充填及びミラーテクニックを学びました。

当時はアメリカでの診療の多くをアマルガムによるクラウン、アンレー、インレーの修復が占めていたのです。
その後、アマルガム(無機水銀合金)の為害性、アレルギー属性などが問題になり、次第に使われなくなり、ここ20年位で歯科医になったDrは、ほぼ術式などを知らないと思います。当時より掌蹠膿疱症などの原因であるということは言われていたのですが、不充分な、また治療不足のアマルガムの充填は、脱落したり、2次カリエスになったり、特に失活歯にほどこされたものは、悪い不完全な根管治療と相まってコロナルリーゲージ(歯冠側漏えい)を引き起こし、慢性根光病巣を作るケースが数多くあったと思われます。歯科医として非常に残念に思われます。

もし、まだアマルガム充填が残存していることに気付かれたら、早めに除去して、他の充填におきかえる事をお勧めします。先述した掌蹠膿疱症は、免疫応答の一種が、ある日あるきっかけで突然起こります。(大部分の方は起こらないままで終わることが多いのですが。)

最近、私にもそういう患者さんがおられたので、ここに思うことを記した次第です。

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