口腔機能低下症(オーラルフレイル)について

  • HOME > 
  • 口腔機能低下症(オーラルフレイル)について

口腔機能低下症(オーラルフレイル)とは、年齢を重ねることで口の機能が衰え、日常生活に影響が出てくる状態をいいます。たとえば、「口を開ける」「噛む」「飲み込む」「話す」といった基本的な動作が徐々に難しくなっていきます。この状態が進むと、食事がうまく取れなくなったり、誤って食べ物が気道に入る“誤嚥(ごえん)”をきっかけに肺炎を起こすなど、健康への悪影響が生じることもあります。

口腔機能低下症(オーラルフレイル)は、自覚がないまま健康や食生活に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、早めに検査を受けることがとても大切です。検査は6〜7項目ほどの簡単なチェックで、現在の状態を把握することができ、必要に応じて適切な対策を取ることが可能です。

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の原因

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の主な原因として、以下のようなものがあります。

1. 加齢

高齢になると筋力が低下したり、歯の数が減ったり、口腔内の感覚が鈍くなることがあります。これらが口腔機能の低下を引き起こします。

2. 歯の喪失

歯が抜けることで噛む力が弱まり、食事がしにくくなります。また、歯の喪失が進行すると、咀嚼(そしゃく)や発音にも支障をきたすことがあります。

3. 口腔ケアの不十分さ

口腔ケアを怠ると歯垢や歯石が溜まり、歯周病や虫歯が進行します。これがさらに口腔機能の低下を引き起こす要因になります。

4. 病気や薬の影響

糖尿病や脳血管障害(脳卒中)などの病気、または薬の副作用によって口腔機能が障害されることもあります。例えば、口が乾く「ドライマウス」も口腔機能低下症(オーラルフレイル)の一因となります。

5. 栄養状態の悪化

食事をしっかり摂れなくなることで、栄養不足が進行し、体力や免疫力が低下します。これが口腔機能にも悪影響を与えることがあります。

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の症状

口腔機能低下症(オーラルフレイル)は、口腔機能の低下によって以下のような症状が現れることがあります。

噛む力が弱くなる

食べ物を噛むのが難しくなり、硬い食べ物が食べられなくなります。さらに、食べ物が口の中でうまく噛み切れず、誤嚥のリスクが高くなります。

飲み込みにくさ

食べ物や飲み物を飲み込む際にむせたり、喉に詰まる感覚がすることがあります。これが進行すると、誤嚥性肺炎などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

発音が不明瞭になる

口の中の筋肉が衰えると、話すことが難しくなり、発音が不明瞭になることがあります。

口臭や口腔内の不快感

口腔ケアが不十分だと、口臭が発生したり、口の中が乾燥したりすることがあります。

体重減少

噛む力や飲み込みにくさから食事量が減少し、栄養不足から体重が減少することがあります。

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の予防と改善方法

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の予防や改善には、以下の方法が効果的です。

1. 口腔ケアを徹底する

歯磨きや舌の掃除を日常的に行い、歯周病や虫歯を予防します。歯科医院で定期的に歯石を除去してもらうことも重要です。

2. 口の体操(口腔リハビリテーション)を行う

口の筋肉を鍛えるための体操を行います。たとえば、口を大きく開ける、閉じる、舌を動かすなどの運動が効果的です。これにより、口腔機能の維持や改善が期待できます。

3.適切な食事を摂取する

噛む力が弱くなると、柔らかい食事が中心になりがちですが、栄養バランスを考えた食事を心がけることが大切です。咀嚼しやすい食品を選び、少しずつ口の運動を促進するような食事を工夫しましょう。

4.歯科医院での定期的なチェック

定期的に歯科医院で検診を受け、口腔内の状態をチェックしてもらいましょう。歯の状態や口腔機能の低下を早期に発見することが重要です。

5. 水分補給と湿度の管理

口腔内が乾燥しないように、水分をこまめに摂ることが大切です。また、室内の湿度を適切に保つことも口腔の健康を守るために役立ちます。

■まとめ

口の機能が衰えることで生活の質に影響が出る状態で、特に高齢の方に多く見られます。これを防いだり改善したりするためには、毎日の口腔ケアや口の体操、栄養バランスのとれた食事、そして定期的な歯科検診がとても大切です。早めに取り組むことで、元気で健康な暮らしを長く続けることができます。

 

expand_less
042-554-6480